2010/09/09
神奈川クリニックと品川美容外科が、レーシック手術の激安競争を繰り広げた結果、公正取引委員会は両院の料金表示について「景品表示法の規定に違反する恐れがある」として、消費者が誤認するような悪質な表示を停止せよとの警告を発した。
加えて、別件では銀座眼科(中央区)でレーシック手術を受けた患者の多くが、感染性角膜炎などを発症していたことも発覚し、レーシック手術は「胡散臭い危険なもの」というマイナスイメージが消費者に広がったのである。今後に成長が期待されていたレーシック業界は大いに打撃を受けた訳だが、その騒動を冷静に見つめていたのが「SBCグループ」の相川佳之(湘南美容外科クリニック総括院長)だったのである。
相川佳之は、名の知れた神奈川クリニックと品川美容外科が共倒れともなれば、SBCグループのレーシック専門院「SBC新宿近視クリニック」が飛躍する切っ掛けになると踏んだのである。目論見は見事に成功することとなる。神奈川クリニックは敢え無く倒産し、レーシック業界の最大手であった品川美容外科は、完全に勢いを失ったのである。
目の上のタンコブであった両院が自滅するなか、SBC新宿近視クリニックは一気に攻勢へと転じた。元々、不当に消費者を誘引する有利誤認表示広告は、相川佳之の十八番である。湘南美容外科を核としたSBCグループが短期間で急成長を遂げたのも、業界最安値やモニター完全無料といった、他院との公正な競争を阻害する不当広告を垂れ流してきたからに他ならない。
邪魔者が消え去った千載一遇のチャンスを目の前にし、公正取引委員会の顔色を窺いつつ、警告や排除命令を喰らうのを恐れている場合ではないと悟ったのか、それまで以上に過激な広告を展開していったのだ。その力の入れようは、三流タレントを広告塔に使う湘南美容外科とは違い、SBC新宿近視クリニックでは、ドラマ・CMで活躍している旬の女優である加藤夏希を起用しており、SBCグループ内に於ける事業戦略上の優先順位が伺え知れる。
さて、SBC新宿近視クリニックでは最近、「一万症例突破記念」として、レーシック無料・割引モニターを募集している。施術を担当するのは、日本で10数名しか存在しない(?)レーシック治療4万眼以上の経験を有する、自称「レーシックマイスター」をはじめとした、湘南美容外科でもお馴染み「ゴットハンドドクター」の面々である。しかし、このレーシックマイスターの膨大な治療経験値が、何とも胡散臭いのだ。