日本の消費者金融市場を見限ったサラ金が韓国上陸-韓国の銀行買収を進めるオリックスが貸金事業に進出

2011/02/21

 平成18年に成立した改正貸金業法が、昨年6月に完全施行となった。同法の施行により大手・中堅を問わず、消費者金融業者は大打撃を受けることになった。企業存続の危機に追い詰められた要因の一つが、総量規制である。個人向け貸付の総額が、年収の3分の1までに制限されたことで、貸金業者は他の貸金業者からの借入残高を調査した上で、貸出枠が厳格に規制されることになった。

 これにより、それまで個々の貸金業者にあった「真面目な人物だから大丈夫だろう」といった、あやふやな与信判断は通用しなくなったのだ。又一つは、上限金利の引き下げである。本来なら、利息制限法にある15〜20%で貸付するものを、出資法の上限金利が29.2%であることから、所謂グレーゾーンの金利を大部分の貸金業者は設定していた。

 それが同法施行によって、出資法上限金利は20%に引き下げられ、それ以上を超えた場合は、刑事罰の対象になると定められたのだ。貸金業者にとっては、総量規制によって貸したくとも貸せないばかりか、利息収入の大幅減収を余儀なくされたのだ。更に、貸金業者を追い詰めたのが、請求されるがままにグレーゾーンの金利を払い続けてきた顧客の反撃である。過払い金の返還要求を相次ぎ提起し、これによって中堅どころの消費者金融業者はバタバタと倒産、その影響は大手にも容赦なく波及し、業界は壊滅的な打撃を受けたのである。

 昨年10月に事実上の倒産となり、現在は会社更生手続き中である武富士が、消費者金融業者没落の象徴的な例といえる。本来は、違法な闇金を排除し、多重債務から消費者を保護することを目的に始まった法改正の流れだが、結果的には厳格すぎる総量規制によって、消費者が借入先を失うことで、余計に闇金の台頭を促すに至ったことは、何とも皮肉な結果である。当然だが、大手消費者金融から闇金へと流れた消費者が被るであろう被害は、従来の比ではない。

 さて、過払い金返還の代理請求で大儲けした弁護士や司法書士、裏市場が拡大した闇金業者らを喜ばしたに過ぎない改正貸金業法によって、日本の消費者金融市場は再生不可能なまでボロボロとなった。しかし、いち早く衰退の流れを読んでいた企業がある。それが、金融サービス事業最大手の「オリックス」である。巨大なオリックスグループを率いる宮内義彦会長が目を付けたのが、貸金業者への規制が温く、伝統的に金持ちや金貸しが何かと優遇される、お隣の韓国であった。

敬天新聞社/吉永 健一

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