(2012/01/21)
日本有数のレタスやキャベツといった高原野菜の産地で知られる長野県の川上村。特に長野県が天然記念物に指定した川上犬は、村の名を世に轟かせてきた。
都心から遥か離れたのどかな山奥の集落で、日本狼の血を引く伝承もあるという川上犬を従え、高原野菜の収穫で、たくましく生活を営む人々の姿が思い浮かぶ。嘗ては陸の孤島と謂われた村落を、活力ある村として村民を長年従えてきたのは自伝「平均年収2500万円の農村」の著者で全国町村会長でもある藤原忠彦村長(73)だ。
人望が厚いのか人材が無いのかは知らないが、藤原村長は六期24年という多選を制してきた。平穏無事な村の村長と思われるが、以外にも週刊誌や新聞紙上を賑わすこともあった。
嘗てオウム真理教が、川上村にサティアン施設の建設を画策した際、オウム排除に陣頭指揮を取り一躍を担った村長だったが、実はオウムに土地取引を仲介していた人物の弟である不動産会社社長から、別の土地開発事業に絡み賄賂を貰っていたという告発記事が週刊誌「サンデー毎日'99.8.15号」に掲載されたことがあった。
記事が事実であれば大変な事だが、後に村長が逮捕されたことも無ければ、逆に出版社を名誉毀損で訴えたという話も無く真相は藪の中だ。
また、天然記念物である川上犬は近年、動物愛護法で交配・血統書発行・分譲が厳しく管理・規制がされているのだが、過去に藤原村長が飼っていた川上犬「初風」が15年間で31回も出産しているという血統書の捏造が信濃毎日新聞('10.3.20)の報道により発覚した。
犬の発情期は年に1〜2回であるというのに年4回も出産した年もあったという理不尽な血統書が作成され、村長の飼犬「初風」の子である川上犬として世に送り出されていたのだという。値打を上げるため悪質業者が行う産地の偽装表示事件を思わせる卑劣な行為だ。天然記念物である川上犬の血統を根底から揺るがす行為だ。
誰かが利益を被る為に行ったのは明らかだ。血統書の申請者を調べれば誰が何のために行ったのか追求することは可能だ。しかし、村長は「事務的なミス」として収めてしまい、これまた真相は藪の中だ。小さな村で仲間意識が強いのか、酸いも甘いも真偽はいつも追求されること無く藪の中に収まってしまうのが川上村の特徴でもあるようだ。
そんなブラックボックスが存在するから表向き平穏な村が保たれているのかもしれない。しかし、そんなナアナアな対応で何でも処理されたのでは堪らないと、自らが抱える問題を藤原村長に時効だと放られてしまい奮起しているという女性から、当紙は事の顛末を聞いた!つづく。