(2010/11/01)
平成21年6月にイタリア・ミラノで初コレクションを発表した「Jhon AG」なるファッションブランドが、同年9月20日に若者のファッション文化の発信の地である渋谷のフャイヤー通り(渋谷区神南1-4-8)に旗艦店を華々しくオープンした。
「Jhon AG」は、東京コレクションで活躍する「ガッツ・ダイナマイト・キャバレーズ」で知られるデザイナー、キャバレー・アキとジャッカル・クズが新たに仕掛けるメンズファッションブランドである。
ところがオープンから間もなく金銭トラブルを抱え五ヶ月足らずで閉店してしまった。いったい何があったのか?
旗艦店としてオープンした「Jhon AG渋谷本店」の事業主体は潟Zシールの上田昌孝CEOが潟Aンバランス代表取締役・津久井勝己と共に高級アパレル販売事業を目的として設立した合同会社「CENCE」である。アンバランス津久井がセシール上田CEOから四億円の融資保証を取付け設立された合同会社だという。
Jhon AG渋谷本店は華々しくオープンしたが、あっという間に金銭トラブルを抱え閉店に追い込まれた。関係者いわく「まるでオープンは四億円を引出す為のカラクリに過ぎなかった」ようだ。
アンバランス津久井は咳RODIGEという会社を新たに設立し合同会社CENCEの職務執行者となって経営権を掌握していた。アンバランス津久井は一時期、職務執行者に渋谷範政を就けていたことがあるが、津久井は渋谷に数千万円の借金があったが、セシールからの融資を借金返済に充てたり、CENCEに招き入れた鈴木善行と理不尽な支出を繰返し、多くの使途不明金を生み、このプロジェクトに参入した数十社にも上る製造業社などへの支払いを未払いのまま行方を眩ませてしまったのだという。
セシールと言えば、平成17年ライブドアグループの傘下となるが、セシール代表就任を自ら辞退し取締役に就いていたライブドアマーケティング代表の岡本文人氏が証券取引法違反で逮捕され、さらにライブドアよりニッポン放送買収問題を争っていたフジ・メディア・ホールディングスの傘下フジ・メディア・サービスによる株式公開買付によって平成21年11月完全子会社になると共に上場廃止(東証一部)となる激動期を経て、現在ディノスと共にグループの通販事業等を展開している。
注目すべきはセシール上田CEOがアンバランス津久井に四億円もの大金を投じてJhon AG渋谷本店をオープンさせたプロジェクトは、経営再建に取組むべくフジ・メディア・サービスの完全子会社となる最中に展開されたということだ。
合同会社CENCEは資本金10万円だというし、実績のないこの合同会社へ何故この時期に四億円も投じる必要があるのか甚だ疑問でならない。どれだけの収益を予測しての支出だったのか是非ともセシールの事業計画書なりが存在するならば見てみたいものだ。
次号につづく。