2011/03/18
貴乃花親方(協会理事・審判部長)、白鵬(横綱・宮城野)、琴欧洲(大関・佐渡ヶ嶽)、把瑠都(大関・尾上)、旭天鵬(前頭・大島)、黒海(前頭・追手風)、以上6名が大相撲春場所中止が決定する前日、遥々京都府宇治市にまで出向き、節分豆マキに興じたノー天気な面々である。
2月5日(土)、新興宗教法人『庚申会龍神総宮社』(辻本公俊祭主代行)が主催する節分祭には、参拝者約5.000人が参加したという。この6人組の他に豆マキしたのが、加藤茶・小柳ルミ子・左トン平・小野ヤスシ・ビリーバンバン等だ。これにマスコミ報道陣30社100人以上も加わって、現場は押すな引くなの大騒ぎだったという。
辻本公俊が説く「2012人類の終焉」が本当ならば最後の節分祭となる訳だから、信者上げて盛り上げようとしたのも頷ける。その意気込みたるや、福引商品として海外旅行や国内旅行、豪華家電賞品などを1.200本も揃える凄まじい大盤振る舞いであった。
但し、庚申会龍神総宮社の節分祭を取材するが為、若しくは銭で動員したタレント目当てにマスコミが群がった訳ではない。飽くまでもマスコミの取材対象は、人気親方と現役横綱の両名だったことは言うまでもない。八百長疑惑で揺れる角界の大物2人から、コメントを得ようと群がったのである。
さて、豆マキの舞台に上がった貴乃花親方と白鵬は、京都五花街宮川町の芸妓・舞妓に囲まれながら、鼻の下を伸ばしつつ満面の笑みを浮かべ他のタレントと共に豆をまいた。上機嫌のうちに豆をマキ終えると、待ってましたとばかりにマスコミはマイクを向けて群がったのだが、さっきまでの笑みはスッカリ消え去り、不機嫌な面持ちで一言も発することなく、その場から離れ去ったようだ。
角界の改革派を自認する貴乃花親方なら、持論の一つでも発してくれるのではと、期待して京都まで追いかけたマスコミであったが、完璧な決まり手「肩透かし」を喰らっての黒星となった。結局、マスコミが拾ったコメントはというと、辻本公俊の「事件(八百長)については何も言われない。
親方の言う通りに改革が進んでいれば、こんな事は起こらなかったと思う」と、訳の解らないトンチンカンなコメントのみだ。つまりは、この狂騒劇の中身はマスコミ集団が揃いも揃って庚申会龍神総宮社のアピールに駆り出された、というオチである。京都の片田舎にある人類の終焉を煽る新興宗教団体が晴れて全国に御披露目を果たせたのも、角界危機の最中に拘らず貴乃花が男気(宗教信?)で応えたからと言える。
敬天新聞社
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吉永 健一
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