2011/02/28
今から10年程前、ある人物から「京都に胡散臭い宗教団体がある。金で釣ったか根っからのシンパなのか、政治家や芸能人を集めては盛大なパーティーをやっている。手配をするから潜入取材をしてみないか」と、申入れがあった。
新興宗教団体が信者獲得の為に、有名タレントやスポーツ選手を広告塔に使うのはありふれたことで、票欲しさに人が集まる場所に政治家がノコノコと顔を出すのも見慣れた光景である。兎に角、面白いネタが拾えるかもしれないと、宴が開かれる京都駅に隣接する京都東急ホテルに潜入した。当時、宴の御題目が何だったかは忘れたが、とてつもない広い会場は信者であろう出席者で溢れていた。又、情報通りに庚申会龍神総宮社の地元である宇治市から、現職市長や現職・元職の国会議員らが来賓で参加しており、見た事のある歌手や俳優が大勢いた記憶がある。
特に印象深かったのは、その頃は現役の横綱であった貴乃花の姿であった。同席する数人の関取衆と一緒に、葉巻を咥えながら笑みを浮かべていた貴乃花は、写真を撮ろうと群がる信者に丁寧に対応し、終始ご機嫌な様子であった。新興宗教団体が催すパーティーにしては、随分と砕けた雰囲気を感じた。
又、故人である庚申会龍神総宮社の創始者である辻本源治郎祭主の長男であり、信者から先生と呼ばれる辻本公俊祭主代行が、パーティーの主催者であり主役であった様だが、来賓者の挨拶を聞いていると、誰もが創始者の生前の功績を讃えつつ、二代目の辻本公俊祭主代行を持ち上げる美辞麗句を並べていた。
多分、他の新興宗教団体も同様の問題を抱えているであろう、親子間の地位の禅譲に必死になっていたのだろう。何しろ、亡き後も祭主として崇められている創始者は、幼い頃から霊的能力に優れ、超能力にて奇跡を次々と起こしたという伝説の宗教家だったらしい。その血脈を継ぐ二代目はというと、地元の京都平安高校を卒業後、お世辞にも優秀とはいえない金沢経済大学(現:金沢星稜大学=地元では行かないほうがマシだといわれている)に進学し、それなりに青春を謳歌した後に宗教家へと進んだ模様だ。
幹部信者にしてみれば、既に神格化とした先代の後釜としては、二代目は頼りない存在だったのか、信者離れを防ぐのに必死である様子が伝わってきた。しかし、多少オツムの具合が弱かろうと、霊的能力は偏差値では測れない特殊能力であり、祭主としての資質には関係ないともいえる。
敬天新聞社
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吉永 健一
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