ファッションブランドJhon AG創設に4億円を投じた

セシール上田昌孝CEOと潟Aンバランス津久井勝己(5)

(2011/02/05)

 平成21年6月にイタリア・ミラノで初コレクションを発表した「Jhon AG」なるファッションブランドのショップが渋谷にオープンしたが、早々に金銭トラブルを抱え閉店してしまった。事業主体は潟Aンバランス代表の津久井勝巳が旧ライブドアの伊藤秀俊の計らいで潟Zシールの上田昌孝CEOから4億円の融資保証を取付け設立された合同会社CENCEだ。

 金銭トラブルの発端はセシールから数回に分けて投入された約4億円の一部が消えてしまい参入した業者への支払いが滞ったからだ。

 そして債権者に対する窓口役として津久井勝巳の代わりに「富士一太郎」が現われたことで「このプロジェクトは最初からセシール資金を誰かが詐取することが目的だった」「アンバランス津久井とセシール上田昌孝の陰謀」との疑惑が浮上した。

 こうした疑惑を招いたのは富士一太郎が、背景に暴力団関係者がいることを周囲に仄めかしていたことが要因の一つでもあるが、セシールにも疑われる要因となるべく不祥事が、このところ相次いで起こっていたことをセシールも自戒するべきである。

 それはセシール100%子会社の潟Zシールロジスティクスの取締役が、ダイレクトメールの配送業務委託の契約関係がある業者に働きかけて、1年間で総額2000万円のリベートを受け取っていた問題や、潟Zシールブランドクリエイトの取締役が、自ら代表を勤めている別会社と利益相反取引契約に当たる無効な業務委託契約を締結し総額1億2300万円もの不当な業務委託料金を支払わせていたという職権を悪用し私腹を肥やしていた身内の背任事件である。

 このような不祥事が背景にあるからこそ本件でも様々な疑念を抱かれているのだ。もしかしたら、上田CEOは御人好しでとっても良い人なのかもしれないが、その脇の甘さが末端の業者や自社に多大な損害を繰返し与えているということを悔い改めなければいけない。

 現在、債権者がセシールに対して訴訟を起しているが、書類上セシールは融資先に過ぎず無関係であり、業者に対する債務はないと主張しているが、無償で実績の無い事業体に四億円も投じたのは、軌道に乗ったらセシールの100%子会社にするつもりだったからでは無いのか?融資というなら回収はどうするのか?

 また津久井は当紙の取材に対して、セシールからの資金の一部が消えて業者への支払が出来なくなった理由としてた「経理を任せていた鈴木善行が突如やめて所在不明になった」「業者に支払うため金庫に保管していた金を富士一太郎が持ち逃げしてしまった」と説明しているが、何の裏づけも示さずにそんな話しをしても「自分が使っちゃったんじゃないの?」と警察も相手にしてくれないだろう。何れにせよ、セシール資金は適正に使われず喰い尽くされたことは事実のようだ。

 差し当たり、会社等の債務と同様の債務を背後者である支配株主や経営者等が負担することになるという「法人格の否認」を主張する被害業者と、融資をしただけで事業には無関係とするセシールの民事訴訟は、次回2月28日東京地裁502法廷10時より行われる。

次号に続く。

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