ウイルコ、朝日広告社の郵便割引不正利用と新生企業の過去

2009/01/09

 東証二部上場ウイルコによる心身障害者割引郵便制度悪用詐欺事件は朝日新聞のスクープだった。取り敢えずの被害総額は80円切手分が8円ということで計算され、49億と発表されたが、実際には120円や150円のものも全て8円で計算されている訳だから被害額は49億を遥かに上回るだろう。
 しかも発表されたのは日本郵政になってからの数字であって、郵政省からの慣習として引き継がれた可能性がある訳で、そうなれば10倍は下らないだろう、という専門家もいる。
 そうやって考えればウイルコなんて会社の利益の全ては詐欺で稼いだようなもので、社長が会長に出世した誤魔化しに騙されては駄目だ。社長の若林は創業者であり大株主なわけで全財産をはたいて日本郵政とそれ以前に日本国に弁償すべきだ。

ウイルコ−新生企業−朝日広告社

 朝日新聞は以前、ウイルコを利用して日本第二位の広告会社・博報堂が大きく儲けていたと発表していた。  しかし、昨日深夜、実は子会社の朝日広告社がウイルコと同じ手口で心身障害者割引郵便制度を利用していたと発表。
 内容的には「10月初めにウイルコと取引のあった会社の仕事を受注する際、障害者郵便割引制度を利用し『20万円』の利益があった」と言うものだった(つまり新生企業との郵便割引不正利用は10月が「初めて」で尚且つ20万円程度…という釈明)。

 この報道を知って、朝日新聞の現場はメディアとしての使命感を感じ、義を見てせざるは勇なきなり、という正義を実践したのかと思っていた。たかが20万円位の不当利得であっても隠さず報じる自分に厳しい朝日新聞に拍手を送るべきかと。
 しかし本紙に入ったレアな情報によると、朝日広告社が障害者郵便割引制度を悪用し儲けたのは、たかが20万円の話ではなかった。

大阪市西区(本社)以前の新生企業

 今回、朝日新聞が「自供」した朝日広告社の制度悪用実行時期は昨年10月の話であった。
 しかし、朝日広告社は過去にウイルコにこの心身障害者割引郵便制度を教唆した「新生企業」と組んで、この障害者郵便割引制度を悪用していた事は余り知られていない。

 インターネットで検索すると新生企業は大阪市西区に存在している。
 しかし、朝日広告社とつるんで新生企業が郵便割引を受ける障害者団体を用意し、不正割引を受けていた当初、新生企業は福島県郡山にあった。余りの悪辣さからか分らないが、新生企業は国税局が入って平成15年に倒産し、逃げた先の大阪で、また同じ社名で同じような郵便割引制度不正利用ビジネスを始めたのであった。

 郡山にいた時の新生企業は障害者割引制度の特典を持つ宗教法人を買い取り、その特典を悪用する会社であり、その新生企業に出資、投資、運転資金の提供等していたのが、朝日広告社であって、当時、関係者には朝日と新生はニコイチと見られていたそうである。
 しかし悪事は長く続くものではなく、国税から新生企業に査察が入り、程なく倒産、新生企業の倒産により朝日広告社の痛手は大きく、一説には14億という話もあるぐらいである。

朝日広告社が新生企業の不正を知らぬわけが…

 その倒産した新生企業の逃亡先が大阪市西区であるといわれているわけだから、朝日広告社が朝日新聞に告白したカワイイ話(郵便割引不当利得の利益=20万円)は信じるわけにはいかないのだ。新生企業とウイルコの関係は知らないが、新生企業は心身障害者用低料第三種郵便物制度悪用の確信犯なわけだから、朝日広告社が「知らなかった」は通用しない。広告会社つながりの事件じゃないの?

 また、朝日新聞はウイルコのやった不正を、朝日新聞グループをあげて徹底追及する、との構えだと報じていた。
 その時、現場はこの郡山で行なわれた自分達のグループ企業・朝日広告社の悪徳を知っていたのだろうか。

 このウイルコ問題、他にも意外と根が深そう。郵政省時代からの各支店のノルマ達成慣習の名残り、とも言われ、あくまでも氷山の一角と言う声も多い(当然、贈賄罪・収賄罪に繋がる可能性あり)。それが何故今なのか、それが何故ウイルコだったのか。西川社長が反発する元郵政省職員に対し、犯罪に繋がる悪しき慣習の一部を表に出す事で「黙らっしゃい」と一喝しているようにも見えるのだが……。

敬天新聞ホームページ敬天ブログ | 東証2部上場通販会社ウイルコ(代表若林和芳)の障害者団体発行偽装郵便割引悪用DM商法