Ｆ１業界の中でも、新年の初めにはスペインの37歳の大富豪が買収したとか、昨日今日はインドのスパイスグループとかいう企業グループが買収することに決まっただとか、誠に噂の耐えない「スーパーアグリ（SUPER
AGURI）」。
そもそもＦ１ビジネスはハンパじゃない金が動く業種であり、スーパーアグリ（SUPER AGURI）を率いる鈴木亜久里氏も、昨年メインスポンサーだったＳＳユナイテッドのスポンサーフィー不払いで資金難に陥ったとはいえ、そこらのサラリーマンの年収分くらいはいつでもポケットに入っているだろう。
Ｆ１ビジネスはでかい金がボンボン動く派手な業界だから、噂が噂を呼びスーパーアグリ（SUPER
AGURI）があちこちで買収されている訳だ。噂を出す方はその日の紙面が埋まればいい訳だからいい気なものだが。
SUPER AGURI F1 TEAM（スーパーアグリＦ１チーム）というかスーパーアグリの母体企業である、鈴木亜久里氏の経営するＡカンパニーが、全国保証という親会社を介したばんせい証券のいわば兄弟会社の「野村エステート・ファイナンス」から１５億円を借り、その際、Ａカンパニーの７０％の株券を「質権」という形で担保とした。
筆者もその契約書類やらを全て見せてもらった。契約書には７０％の株券を「質権」というのとか１５億円とか諸々の契約条項が書かれていた。
鈴木亜久里氏の署名はアルファベットで署名されていた。鈴木亜久里氏は字が下手で、ニョロニョロした筆記体だった。亜久里氏の住所は「モナコ」だった。…カッコいい。さすがセレブの金銭消費貸借と感心。亜久里氏以外は会社印とかの「印鑑」を押しているのに、亜久里氏だけはニョロニョロのサインのみ。・・・そうか、外人だからハンコを押す習慣がないんだ。サインが印鑑証明の代わりみたいなもんだとは・・・めちゃくちゃカッコいい！こんな貸し付けしてみたいもんだと思いました。
といいつつも、要は商品先物会社の質権設定がその７割にも及ぶ会社なのである。鈴木亜久里氏がこれを説明したら大半の買収希望者はドン引きしてしまうだろう。もっとも買収する側もインドとかのもっとエグイ会社なのかも知れないが。スパイスグループは通信会社であります、なんて報道されているけど日本人からしたらああ、最近インドは急成長してるからスパイスグループってのもそんな新興の急成長企業なんだろうな、くらいしか分らない。
むこうも「ばんせい証券＝bansei securities」つって、「うーん、日本の歴史ある証券会社？」としか分らないのと同様、スパイスグループってのももし買うとなったらばんせい証券並みのトッぽい会社なのだろう。しかし、こちらに本格的な交渉段階までの話が届かないから、これも１月にあったアガグだかいう大富豪による買収話と同じで眉唾モノなのじゃないかな？いや、ぜひガセであって欲しいと願っている。
これを願っているのは本紙だけじゃない筈だ。
純日本のＦ１チームを作るんだ、という意気込みで集まったSUPER AGURI F1 TEAM（スーパーアグリＦ１チーム）の「パートナー企業たち」が得体の知れないインド企業がポッと出てきて「SUPER
AGURI F1 TEAMの経営するんでよろしく」なんていって納得する筈がない。
もっとも、パートナー企業の人達は、鈴木亜久里氏がＡカンパニーを質入れし「ばんせい証券なんて悪名高い商品先物取引会社に会社の７０％の経営権を握られてる！」なんて知らなかったことだろうけど。免疫も出来たかな？
しかし、パートナー企業の中でもＦ１に命を駆けてるHONDAが納得するだろうか。SUPER AGURIはHONDAエンジンを搭載し、HONDAのサポートを受けるということになる予定だ。しかし、HONDA RACING F1のチームCEOであるニック・フライはマニュファクチャラーとしてはSUPER AGURIを支持していきたいと誓ったものの、HONDA RACING F1のサテライトチームとなっているSUPER AGURIがのドライバーズラインアップに関して懸念を示している。
フライは2007年にSUPER AGURIのセカンドシートを手にしていた28歳のイギリス人ドライバーであるデビッドソンについて「適切なスタンダードとなる逸材」と評価している。しかし、インド企業のスパイスグループが買収と同時に使いたいと考えているカーティケヤンについては「適切なスタンダードを手にしているとは考えていない」と述べていた。
目先の資金繰りに困ってインド人に身売りして、いきなりターバン巻いた二流ドライバーを押し付けられてSUPER AGURIをサテライトチームとしているHONDA RACING F1の格が下がっては困るのだ。亜久里氏は素晴らしいＦ１レーサーであり、カリスマ的なＦ１チームの代表である。しかし、レーシングカーはエンジン無しでは走れない。それを提供するHONDAのCEOが難色を示す行為を懸命な亜久里氏がするとは思えないのだが、買いかぶり過ぎだろうか。（HONDAも悪徳商品先物会社に株を取られたままよりはマシかな？と思うだろうか）
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