「戦友」の絆 | ||
戦後復興の只中にあるアフガニスタン選手団(約60名)を、韓国釜山で開催された「釜山アジア大会」に出場させたのだ。 戦後という事もあって、まだ同国ではスポーツに対する理解度が低く、政府からの予算も出ないため、その出場は直前まで危ぶまれていた。しかし田中氏の人脈を頼りに資金を手繰り寄せ、なんとか出場に漕ぎ着けることができたのだ。 田中氏のアフガンでの実績については、本紙第57号で既に触れたので割愛するが、シルベスタ・スタローン主演のアクション映画「怒りのアフガン」のモデルとなった人物と言えば、判り易いかもしれない。 それ以前のジェクダリク氏は、高校教師を務めながら同国のレスリング・チャンピオンに輝き、モスクワ五輪へも出場する……はずだったのだが、前述の通り1979年末から始まったソ連軍のアフガン侵攻により、五輪の夢は絶たれた。 田中氏とジェクダリク氏の絆。それは、共に命を賭けて戦った男と男の堅固な友情であり、真の人類愛である。この2人の情熱が、大会参加という結実を招いたのだ。 9月30日、京王プラザホテルで、ジェクダリク氏と田中先生を励ます会が開かれた。アレッ?確か2人は、昨日(9月29日)の釜山での開会式で、役員として入場行進していたはずだが、本当に本人達が来るのか? このパーティーに衆院議員の松浪健四郎先生も見えていたので話を伺ったら、ジェクダリク氏にカブール大学でレスリングを教えたのは松浪先生だったそうである。一件落着、よかったよかった。 | ||
オリエの唄 | ||
ところで本紙社主(及び我々)は最近、パーティーに招待される機会が多いのだが、よく主催者の方から「今日は久間先生がお見えになる予定ですがどうしましょうか」と尋ねられる。 この日も大地社の水谷代表が「たぶん今日は久間先生もお見えになると思いますが、どうしましょうか」と社主に声を掛けて来た。
――彼は票にならないところには来ないと思うよ。 「久間先生は良い人なんですよ」 ――そう?秘書がピストルで狙われるような奴だよ。 「先生自身はそんな人ではないんですよね」 ――そう?大臣室で暴力団と記念撮影するような能天気な男だよ。 「きっと人がいいから利用されてるんですよ」 ――そう?顔がキム・ヨンサンに似てるよ。 「……………」 ところで、田中先生は、体術の練習を毎日欠かさない。 歌舞伎町コマ劇場のそばに「俺の味世」という五月みどりをちょっとふっくらさせたようなママがやってる可愛い小料理屋がある。そこが先生の行きつけの店だ。 カスミ(イカスミではない)と酒で生きている先生の生きがいは、武道とアフガンである。 | ||
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