マルチ業者潟Xピーシーが悪足掻き、田中慎と波田直樹の返金計画とは?

(敬天新聞11月号)

 詐欺師が逮捕される、若しくは逮捕寸前に追い込まれる。その時に発する第一声が「騙すつもりはなかった」である。

 更に「預かった(掠め取った)お金は必ず(そのうちに)返します」と続く。詐欺師にとって、騙すといった犯意の有無は重大な意味をもつ。

 瑣末な脱法行為で済むか、確実に懲役になるかの分かれ目でもある。詐欺の立件が難しいと言われるのはこの点にある。

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 それは返金請求の民亊でも同じである。特に、被害が短期間に拡大するマルチ商法に於いては、被害者が加害者へと転じ新たな被害者を生み出す連鎖もあって、加害事実の範囲を特定するのも難しく、被害回復等の手続きはより困難となる。

 そもそも、詐欺的マルチを組成する首謀者より、マルチピラミッドの頂点付近に居座る最上位勧誘者の存在こそが、被害拡大の要因といえるのがマルチの特徴なのだ。ところが、この輩共は自ら勧誘したダウンと称する下位者から金を吸い上げた挙句、事業が停滞するやいなや自分等も被害者だと言い張るのである。

 言い訳は多様で、勧誘報酬は貰っていないだの更に上部組織に吸い上げられただの、戯言を弄して責任を回避するのだ。結局、詐欺的マルチに問題が生じた段階で、被害回復は望めない状況であるのが現実だといえる。

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 さて、今年の夏に大きなマルチ事件が発覚した。英国政府公認のブックメーカー(賭け業者)を利用した「必ず儲かる投資」と謳ったこの投資(出資金)詐欺は、約三百六十億円の被害を齎したという。首謀者は、大阪を本拠とし全国各地で勧誘を行なっていた株式会社「スピーシー」(田中慎)であり、同マルチの最上位勧誘者に君臨し被害拡大の張本人であった、波田直樹という人物である。

 他に、懐を肥やしたスピーシーの代理店や上位勧誘者も多数確認されているが、詐欺的マルチの中心に居座っていたのが、田中慎と波田直樹の両名である。

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「必ず儲かる投資」といった、この世に存在しない儲け話に飛びついた出資者(後の被害者)らは、スピーシーや田中慎の個人口座に送金し、恒常的に得られる報酬を夢見ていたというから不憫と言うか愚かである。

 加えて、送金目的がどうあれ実際に締結した契約形態は、一般的な金銭消費貸借契約やコンサルティング契約、単純名目な紹介料といった、後々如何様にも解釈できる内容となっていた。つまりは、不特定多数から出資を募れば様々な法令に抵触するが、契約そのものは双方自己責任が伴う相対取引を結ぶことで、周到に逃げ道を確保していたといえる。

 結局、スピーシーの詐欺的マルチの実態が暴かれた以降、すぐさま被害者集団による損害賠償請求等の手続きが進み、既に裁判が開始されたとも聞くが、この両名は逮捕されることもなく、のうのうとシャバの空気を吸っている。警察当局としても、これだけの巨額な被害が発生した事件である以上、貸金業法や金商業法違反といった微罪で逮捕して終わるつもりはないであろう。

 せめて出資法違反に加え最終的に組織的詐欺での立件を視野に入れ、少なくとも十年は刑務所送りにしたいのが本音であり、その為の裏付け捜査を進めているに違いない。

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 過去の詐欺的マルチでは、首謀者と一部の勧誘者逮捕で終わることが多かった。今回は是非とも田中慎と波田直樹、その他大勢を一網打尽に塀の中にぶち込んで頂きたいものだ。ところで、後に手が回りそうな両名であるが、今だ詐欺師らしいしぶとさを発揮している。


(株式会社スピーシー・田中慎(&波田直樹)より、詐欺被害者へ送られたヨタ文書

 損害賠償請求等の集団訴訟準備に被害者が動き始めたことに併せ、「関係者の皆様へ」と題した一通の文書(↑クリックで拡大)が被害者に通知された。その内容は精査するまでもなく、逮捕・訴訟逃れの単なる時間稼ぎの戯言であることは一目瞭然である。次回は、同文書に記載されている波田直樹による返金財源となる事業計画(ファンタジー)の詳細を伝えたい。

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