道月住職開運グッズは霊感商法?第3弾淀川業者を束ねる男の正体

(敬天新聞4月号)

買ってはいけない開運グッズ

 東日本大震災以降、先祖の因縁や霊の祟りなどの話を用いて不安を煽り、法外な値段で商品を売ったり、除霊と称して不当に高額な金銭などを取る「霊感商法」「開運商法」の被害が跡を絶たない。先般、身に着けるだけで幸運を呼ぶ、望みが叶う、病気が治ると謳い商品の購入を迫る販売を巡るトラブルが全国で相次いでおり、国民生活センターが数珠やブレスレットといった開運グッズで運が開けることは無いと注意を呼びかけている。

 開運グッズの製作者として、見た事も聞いたことも無い僧侶やイタコや霊能者が「メディアで活躍中の○○先生」などと広告塔になっているものや、宝くじが当たったといって大金に囲まれた購入者の写真と体験談を広告宣伝しているもの、返金保証を謳うもの、無料相談と称する窓口を設置しているものには注意が必要である。

大阪淀川に集う開運業者

 さて、当紙では永福舎の販売する「永福珠」なる開運グッズの調査を続けてきた。永福舎が販売する「永福珠」は丹波哲郎の勧めで天台宗系寺院に出家し、最高の地位を表す大僧正で霊能者でもあるという「福富寺住職・道月」なる女僧が一本一本に念を込め製作しているという。その真偽を問う取材を申し入れたが、未だ回答を得ていない。顧問と称する大阪弁の男が「堺のファイブウエイが運営しとるんや」と電話で対応したのが最後である。

 永福舎をはじめ、開運グッズを販売する怪しい業者を幾つか調べたところ、その多くが道月住職の開運グッズを販売する永福舎と同じ大阪、特に淀川区に住所が集中していたというのは先月号で報じた通りだ。気功療法師・中条忠勝先生の気功魂と称する石を売る「中条気功研究所」が淀川区木川東三-九-六、A霊能者・二階堂春江先生の三神願珠と称する数珠を売る「サクセスライフジャパン」が淀川区西中島四-四-二五、B明神流心・明神流華という両名の流気幸珠と称する数珠を売る「パーフェクトデイズ」が淀川区西宮原二-六-一六、C霊能者・天羽美子先生の天導石と称する石を売る「天羽相談所」が淀川区宮原五-六-三二、そして大僧正・道月住職の永福珠と称する数珠を売る「永福舎」が淀川区西中島四-六-三〇という具合だ。何れも新大阪駅を中心に歩いて移動できる距離にある。謂わば淀川区は開運業者が軒を連ねる開運銀座である。大阪はいつから霊能者が集うパワースポットになったのだろうか?という疑念を抱き調査を進めてきた。

横浜業者も「実態」は大阪

「和央一幸」なる霊能者が自ら波動魂を数珠に宿らせ製作するという「天道波動珠」を売る天昇堂(横浜市南区山王町)も材質不明の数珠を五十万円で売る怪しい業者の一つであるが、取材を申し入れようと無料カウンセリングダイヤルへ何度も電話をしたがいつも「先生は留守」である。それどころか、いつの間にか「陽炎術師ひふみ善幸先生」なる僧侶が念を込めた「陽炎念珠」の無料カウンセリングダイヤルになってしまった。

 この天昇堂も広告には住所を横浜市と記しているが、郵便物は大阪の住所に転送されている。三月十三日放送のNスタ(TBS報道番組)で、ある女性が二万円の数珠を買ったことをきっかけに不安を煽られ七千六○○万円を騙し取られたというケースを特集していたが、これも大阪の業者である。

開運業者を束ねる親玉組織

 そこで更に調査を進め、当紙の諜報部員を大阪に送ったところ、これら開運業者の多くがマンションやレンタルオフィスの住所となっており表札が無いものが多く、どれも実務は別の場所で行っているといった様相だ。そして、大阪にはこれら開運業者が幾つかのグループに別れており、それを束ねている親玉組織があることが分かった。さしずめ当紙が追求しているのは淀川グループといったとこか。

 近頃、淀川グループの一つ「サクセスライフジャパン」による被害の声が、全国で上がってきている。サクセスライフジャパンは神のお告げで開眼したという「二階堂春江先生」が開発したという「三神願珠」という数珠を売り、例の通り不安を煽り高額請求してくる悪質業者だ。

ジオヒロヤで繋がる淀川業者

 このサクセスライフジャパンが送金を指示する振込み先は「ジオヒロヤ」と称する名義の銀行口座なのだが、当紙が取材を申し入れた直後に無くなっている。面白いことに同じく被害者の声があり調査をしていた「盲目の霊能者・神郡成美先生」のヒミラース霊視鑑定所(淀川区西中島七-一-三-四○八)がサクセスライフジャパンの後を追うように無くなってしまった。そして、このヒミラース霊視鑑定所の口座が「テラオヒロヤ」である。これら口座を調査したところ、名義人は兵庫県尼崎市武庫之荘の「テラオタクヤ」を名乗る人物だということが分かった。

 このことから「テラオタクヤ」なる人物は「寺尾拓也」と書き(也は哉かも)、苗字を「テラオ」「ジオ」、名を「ヒロヤ」「タクヤ」と振り仮名を変えて複数の口座を不当に開設したことが想像できる。更にサクセスライフジャパンで対応していた霊能者と声質から同一と思われる人物がヒミラース霊視鑑定所に、そしてヒミラース霊視鑑定所で対応していたと思われる人物が天羽相談所の電話に出てくるというから繋がりは間違いないだろう。

 このことから、開運業者が広告に出している住所の部屋には電話と特殊な装置が設置してあるのみで、電話の着信はどこか一ヵ所に転送され、そこで雇われ占い師や数人のスタッフが、声や名前を変えて先生や弟子に成り済まし、一人何役もして対応しているようだ。そして客が不振に思い騒ぎ始めた店は潰し、また別名で新設するということを繰り返し行っているのだ。

淀川グループ親玉組織を内部告発か

 そんな調査を続ける中、信憑性のある内部告発と思われる投書を得ることができた。開運商法が詐欺と世間が騒ぎ出して、騙されたと気付く被害者も居れば、業者サイドにも自分が携わっている仕事が詐欺ではないかという罪悪感に気付き葛藤する者も中には居るのだろう。寄せられた情報によると「テラオタクヤ」はサクセスライフジャパンをはじめとする、複数の開運業者を束ねる「田中寛紹」が出入りするJコーポレーション=旧アドライン(大阪市淀川区西中島五-七-一九第7新大阪ビル9F)と深い繋がりを持っているという。

 広告代理店を標榜する田中寛紹は、淀川区十三の高級マンションから昼ごろ出社し、暇さえあればパチンコ三昧という悠長な暮らしをする茶髪の四○歳前後のラフな兄ちゃんであるという。サクセスライフジャパンの被害者が、取られたお金を返してくれないのなら警察に告発すると毅然たる態度で臨むと、田中寛紹が出てきて返金に応じるというから、ダミーかどうかは別として代表であることに間違いないだろう。そして背後には暴力団関係者の影もあるという。

集団訴訟と刑事告発で全貌を暴け

 当紙は、淀川区の住所を騙る開運業者には共通の親玉が存在しているとみて、これまで調査を続けてきた。サクセスライフジャパンに至っては、ここにきて被害者を募り集団訴訟を呼びかける弁護士も現れた。弁護士は被害者の取られたお金を取り返すことが第一義でしょうが、うるさい客には金を返して延命を図り、手を替え品を替え、人を騙すのが悪質業者だから、ここで詐欺を食い止める為に是非ともお金が返還されようとも刑事告発をして、悪質業者の全容を暴き、新たな被害を食い止めて頂きたい。

笑い事ではない日本の現状

 世間では、こんなインチキに騙される方も悪いと嘲笑う人もいる。しかし、孤独で人に言えない悩みを抱え、自ら命を絶つ人が年間三万人もいる状態が十四年も続いているのが日本の現状である。今にも死のうと悩んでいる人が沢山いるのだ。そんな心身ともに病んでいる人の心の隙間に入り込み騙すのが、この手の悪質商法(カルト・霊感・開運)の特徴である。

 東日本大震災の被災者や家族を失った人に、その原因を「貴方に悪い霊がついているからだ」と言って不安を煽り「除霊をしなければいけない」といって見舞金まで取上げた例が国民生活センターに報告されている。これほど見境の無い詐欺が国内に蔓延っているのは、命を授けてくれた親を敬い、その命を育んでくれた郷土を愛すという基本的な心の教育が崩壊しているからだ。そして日本人の良心を蝕んでいるのが詐欺師である。これを質さなければ、日本に明るい未来は無いだろう。

  当紙は大阪の悪質な開運商法の追求を契機に全国の業者に追求を拡げて行くが、先ずは大阪の淀川グループを根絶やしにする為、大阪府と大阪市には業者に対し、厳しい鉄槌を下すべく請願書の提出を行い、消費者庁をはじめとする主務官庁、当局、国税庁(脱税してない?)に対し、徹底調査を行うよう訴えていく。「堺のファイブウエイが運営しとるんや」と言う永福舎の顧問と称する男の正体も、相談者に肩書きとは全く不釣合いなタロット占いで弟子が持て成すという福富寺・道月住職開運グッズの真偽も、近々あからさまになることだろう。因果応報である合掌。


(当紙がイメージする田中寛紹)

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