社主の独り言(辛口)

敬天新聞5月号

▼先月の初旬に今話題の徳之島へ行ってきた。今から六十五年前の昭和二十年四月七日、戦艦大和を旗艦とした日本海軍の連合艦隊が沖縄戦へ向う途中、この徳之島の北方海上でアメリカ軍と激戦の末、轟沈した。
 三千七百二十一名の尊い命が海中に消え、帰らぬ人になったと言う。その四十三回目の慰霊祭があると言うので参加させて頂いた。この慰霊塔の作者は文化勲章受勲者の彫刻家中村晋也先生で、創立呼び掛け人は戦後の内閣において経済企画庁長官・郵政大臣等を歴任された辣腕の政治家であり義兄が海軍航空機墜落事故で殉職された故迫水久常先生であり、揮毫は高松宮殿下という由緒ある慰霊塔である。
 恥ずかしい話であるが、私は戦艦大和がどこで沈んだかも知らなかったし、その周囲に駆逐艦八隻と巡洋艦一隻も一緒だったという事も知らなかった。

 たまたま昨年の四月、岬の先端に建つこの慰霊碑が風浪や塩害で腐食が進み、修復が必要という事でNPO法人トレフルクラブが中心となった募金活動があり、そこに参加して初めて大和の話を知りました。それが縁で今回の現地への旅立ちとなったのである。
 徳之島というのは、三町から成り立っているのですが、各町に慰霊碑や慰霊塔があり、先陣を供養する心の温かさや義に厚い文化を大事にしている人達のようである。例えば天城町には特攻隊慰霊碑があるし、徳之島町には富山丸慰霊碑と自衛隊機が墜落した慰霊碑もある。

 戦艦大和の慰霊塔は伊仙町の犬田布岬にある。潮水を含んだ強い風が砂を巻き上げて飛んで来るのには閉口したが、当日の式典には感動した。
 五百名近くの関係者の式典を見守るようにイージス艦が岬沖に慰霊来航して最後まで式典に参加し、午後二時二十三分、黙祷に合わせて空砲を撃ってくれたのだ。それに合わせて沖縄から海上自衛隊のP3Cが飛来して上空慰霊飛行で参加し、陸・海・空の立場から自衛隊が参加してくれたのだ。

 小さな島発信の修復募金活動には限りもあり、並大抵の苦労ではなかったらしい。それを伊仙町が中心となり、町民は元より遺族会、水交会、有志に声を掛け、輪が拡がって行ったそうだ。
 その修復運動の成果が余程嬉しかったのだろう。関係者、参加者の心が一つになったような慰霊祭だった。特に英霊を世に送り出した遺族の方々の喜びは一入だった。英霊に対する事業、支援は恐らくは国が行わなければならない筈の行事の一つである。
 今あたかも米軍基地問題で鳩山総理の迷走が続いているが、無理やりとはいえ十年かけて話し合い、結着していた問題をあの浅はかな頭脳で対案、腹案もないくせに、さもあるような口ぶりで期待を持たせ一度寝た子をわざわざ起してしまったのである。
 本当に馬鹿である。本人も愚かであることは認めている。自覚しているならさっさと辞めろ。とにかくこの男は馬鹿というか、小沢の方しか向いていないのだ。

 小沢は選挙屋で選挙に勝つことに生き甲斐を感じているだけで、それを商売にしているだけなのだ。何の世界でも勝てば官軍という人生のセオリーを実践しているだけで、政治哲学を持っているわけでも、経済論、幸福論のスペシャリストでもない。ましてや日本国民の安全・安心・安定を守ろうなんて、これっぽっちの欠片も考えていない。
 小沢は政府が一度決めたことを引っくり返して喜ぶサディストで、外国人参政権付与法案を強制しようとする売国奴で、選挙対策用に平気で嘘をつく詐欺師なのである。その小沢の顔色しか見れないのが日本を代表する総理というのだから、呆れて物が言えない。

 今、徳之島では米軍基地移転に大反対運動が起きているが、これは鳩山総理の二転三転する発言に大いに責任がある。鳩山総理は日米安保の機軸を理解していない。現状の日米安保では、日本に基地を提供する義務がある。本気で沖縄の人達の痛みを分けてあげたいと思うなら、全国の皆さんに何度でも理解と助けを訴えるべきだろう。
 今で言うなら、徳之島の皆さんに心から何度でもお願いすべきだった。それを高飛車に政府が決めるような態度で接したら誰が協力するものか。
 私が接した徳之島の人達は英霊に対しての敬意をキチンと弁え、沖縄に対しても同じ琉球民族としての同族意識もあり、基地問題に関しては我々より身近に感じている気持ちがあるように思えた。

 小沢だけは何としても潰さねばならない。だが事業仕分けと、政官癒着、無駄遣いの究明だけは、もっと続けたいというのが国民の本音ではなかろうか。夏の参議院選で民主党の過半数だけは阻止しなければ、というのも今や国民の本音だろう。その意味では鳩山総理が普天間で躓くことを国民は望んでいるようにも見える。私にもその思いはある。
 だが国防問題は国民全体で考える問題であり、沖縄県民の痛みは国民全体で分かち合わなければいけない問題である。民主党、自民党の手柄や足の引っ張り合い、というレベルの問題ではない。

 中国の戦艦は日本の迷走を嘲笑うかのように、日本の領海に出没し、北朝鮮は韓国軍パトロール艇を撃沈した。私は民主党の手柄にはしたくないが、徳之島の皆さんには日本国民を代表し、日本国の為に、沖縄県民の痛みを理解した心意気として、ぜひ移設に協力を申し出て頂きたいと願うものである。
 結果がどうであれ、他県から手を挙げてあげることが、沖縄県民に対する日本人としての義に感じてならないのである。勿論、アメリカから見れば利害あっての基地建設であろうが、その代償としてアメリカ軍は命を賭けているのである。本来なら自国防衛が基本であろう。

 本当の戦後、独立を迎える為にはアメリカ軍の永年の駐留に対し、敬意と感謝を持って撤退を申し出、代わって自軍の防衛を配備することが必要であろう。
 このことを踏まえ、日米安保は始めて県外、海外へと導くべきなのである。物事には道理や筋道が必要である。自分達の都合で無理押しやゴリ押しをすれば角が立とう。当初はお仕着せであっても、国防という意味からすれば、米軍にお世話になったのは事実であるし、日本が分裂統治されなかったのも強いアメリカのお陰だったのである。
 その米軍の撤退、移設に際しては敬意と感謝と配慮は当然である。人としての配慮が連立民主党政権にはないのだ。だから迷走するのだろう。
 今からでも遅くはあるまい。政府は平身低頭して何度でも徳之島町民にお願いすべきである。

▼徳之島の「戦艦大和を旗艦とする特攻艦隊戦没将士慰霊祭」に合わせて、夕刻から英霊を忍ぶチャリティコンサートが三町主催で行われた。我々と対面する形で、今テレビで話題の徳之島の三町長が座り、にこやかに談笑する。移設絶対反対のあの顔ではない。私も話題にしたが、民意優先を強調されていた。だが後手後手に回る政府の対応に不満があるのであって、沖縄県民の痛みは理解すべきだという気持ちも伝わった。

 式典ではトレフルクラブ現地支部長と福祉部長の北原由貴さんに三町から感謝状が送られた。
 チャリティコンサートでは「かしこい女じゃないけれど」のヒット曲を持つ北原由貴さんが徳之島の天城山に救急患者の救援中に墜落した四人の自衛隊員の鎮魂歌としての新曲を発表。泣ける歌である。作詞は円香乃先生、作曲は「浪花恋しぐれ」の岡千秋先生である。

 前日は両先生と北原由貴さん、レポーターの梨元勝さんも来島しての大宴会となり、梨元さんは次の日大阪出張ということで一次会出席で休まれたけれど、岡先生と円先生の酒の強いこと。岡先生はド演歌そのもので歌が上手い。生で聴くと痺れるねー。

 北原さんは今回が百七十七回目のチャリティコンサートで刑務所、養老院、障害者施設等のボランティア慰問を長年続けておられるそうである。新曲のタイトルは「愛する人へ」という歌であるが、是非自衛隊の応援歌として世に送り出して貰いたいものである。こういう歌がヒットすれば国民は穏やかになり、殺伐とした世の中は無くなるだろう。ぜひ日本文化を忘れた日本国民に聞いて貰いたい歌である。

敬天ブログ敬天新聞トップページ不正疑惑内部告発(敬天ブログデイリー版)|社主の独り言