浜井卓男静岡県議会議長、保育園乗っ取り手口の全貌

(敬天新聞4月号)

静岡県議会議長の持つ政治権力

 近年稀なる卑しい政治家を静岡県で発見した。本紙に寄せられた情報では、静岡県にある運営中の保育園を、裏切りと深謀遠慮を巡らした末、政治的圧力を以って乗っ取ったというのだ。その理由がカネを得るが為のみというから驚きだ。
 その政治家とは、昭和六十二年に静岡県議に初当選以来、連続当選六期目となる浜井卓男(自由民主党=浜松市西選挙区)である。現在、浜井卓男は静岡県議会議長でもあり、県政のトップに君臨している大物(飽くまで地方での話し)である。
 中央大学在学中には拳法部に所属し、そこそこ活躍したことが最大のウリらしいが、この男からは武道家としての気概や清廉なる精神といったものは何一つ感じられず、周囲に放つのは怪しいカネの匂いを帯びた悪臭だというのが、支援者さえも含めた地元の本音のようだ。
 中央政界で取り沙汰される「政治とカネ」の問題では、その目的は少なくとも政治絡みであり、掴んだ悪銭も自身或いは手駒の政治活動に費やすことが多い。しかし、浜井卓男に限っては、私腹を肥やすことが目的であり、それ以外は何もない。その為に県議の立場をフル活用しているに過ぎないのだ。
 その意味では、浜井卓男に限らず、選挙区地域に寄生する似たような地方議員は、それこそ掃いて捨てる程、存在しているのが現実であろう。当然、カネの匂いを嗅がせれば一生懸命に仕事をこなしてくれる地方議員は、支援者という名の利用側にとっても有難い存在であり、浅ましくもカネの繋がりで共栄しているのが実態だといえる。

支援者を容赦なく騙し追い出し

 さて、本件については、運営不備といった不用意な過ちを犯した保育園運営者が、浜井卓男の政治力に期待して相談を持ち込んだことが事の始まりである。
 当初の相談者の思惑は、実力者の浜井卓男に託せば自身の立場や権益も守られると踏んだのであろう。二つ返事で了承した浜井卓男もまた、相談者の弱みを握りつつ新たなシノギが舞い込んだと、嬉々として受入れたに違いない。
 此処までは、お互いの思惑が一致した、日常的に垣間見られる地方政治家を介した癒着構造の一つといえる。結果、平成二十一年二月二十一日、浜井卓男は件の保育園「岡崎保育園」を運営する、社会福祉法人「松渓会」の理事長に就任したのである。
 表面上は、問題のあった運営者が責任をとる形で退き、これまた表面上は静岡県政の重鎮である浜井卓男が後釜に座る。頃合をみて従前通りの体制に戻る。
 推測すれば、このあたりが両者で取り決めた内幕だと思われる。又、相談者の思いの一つには、園児とその保護者に不利益が生じないようにと、岡崎保育園存続の為「浜井卓男先生に全てお任せする」といった気持ちも、少なからずあったようだ。
 しかし、浜井卓男の頭の中は如何にしてカネを得るかといった邪な考えで占められていたのだ。その手始めとして、松渓会の理事に自らの後援会メンバーを次々と就任させ、松渓会を抜けた相談者から、状況を知る機会を奪ってしまう。
 その後、本来の依頼内容である松渓会を監視指導する役割の静岡県から、守護する役目とは真逆な行動に移っていく。浜井卓男は、岡崎保育園運営の健全化に向けた静岡県との協議に力を注がないばかりか、寧ろ、現状存続に否定的な対応を示すようになる。
 これに至っては、何の為に政治力の発揮を期待し浜井卓男に託したのか、相談者が裏切られたの心境に陥ったのも無理からぬことだ。しかし、浜井卓男の裏切りは単なる序章に過ぎなかった。
 そもそも保育園運営を継続すれば、その内に乗っ取りの風評が拡がるのは避けられない。敢えて続けるにしては、運営収益を天秤にかけても間尺に合わない。とは言っても、国や自治体から座視さながらのなか湯水の如く注がれる多額の補助金交付は、カネ好き浜井卓男にとっては捨てるには惜しい魅力的な立場だ。

あの聖隷学園が乗取りに参加?

 思い悩んだ末の結論が、松渓会そのものを第三者に譲渡し、手っ取り早くカネにしようといった、悪徳ブローカーさながらの発想だった。勿論、譲渡先を金銭面での強力な支援者として抱えることも視野に入れてのことだ。若しかすると、相談を受けた段階で、此処までの絵図を既に描いていたのかもしれない。
 何れにせよ、浜井卓男が仕上げ段階で執った行動が、松渓会の譲渡先との接触である。
 その相手が、静岡県浜松市に本部を置く、我が国最大規模の社会福祉法人「聖隷福祉事業団」(山本敏博理事長)である。
 聖隷福祉事業団の窓口は、同事業団の金庫番といわれる、津幡佳伸常務理事ということだ。社会福祉法人の売り買いなどは有りえない話だが、運営する理事会をそっくり入れ替えれば済む話だ。其処で、浜井卓男以下、その後援者で固めた理事の全てを辞任させ、一応は静岡県に相談し意見を聞き入れた形式をとり、運営先を静岡県内の法人で構成される「社会福祉施設経営者協議会」に委ね、そこで仮理事の申請をしたう上で仮理事会の招集にて運営にあたる理事を選出する手法をとることになった。
 ただし、聖隷福祉事業団への譲渡が決定事項の出来レースであることは、同経営者協議会の理事長が山本敏博であることからミエミエだったといえる。結果は想像通り、本年二月に松渓会の仮理事長に山本敏博が就任するに至る。
 簡潔に本件をまとめるのならば、浜井卓男は保育園の健全化に尽力するも力及ばず辞任を選択し、静岡県行政に判断を委ねた。聖隷福祉事業団は県内同業法人の窮状を案じ、静岡県の後押しのなか皆での話し合いの結果、松渓会の運営を引受けた。更には、本件の流れを正当化する為に松渓会の旧運営者を告発すると息巻いている。尤も、これは表向きの話だ。
 それぞれの裏では、浜井卓男はウン千万円の譲渡益を受け取ったらしく、方や聖隷事業団は同業法人の吸収・買収を世間の批判を受けることなく、逆に救い上げた好印象を与えて難なく完了した。これが本件裏側の真実だと本紙は睨んでいる。しかし、カネが絡むと何処かしかが綻ぶのが世の常である。
 先の金庫番が周辺に漏らす愚痴が、浜松市周辺と同僚県議の間に静に広まっている模様だ。何せ、相手はカネ好きの浜井卓男である。貰ったカネが少ないと機嫌を損ね、日々金庫番をネチネチ責めているのかもしれない。


県会議長といえど支援者を騙しまくり四面楚歌になれば、権力も続かない

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