(敬天新聞3月号)
今月行われる戸田市長選挙、神保国男氏多選出馬に異議あり。
自分自身は過去に、戸田市の斉藤純忠前市長6期目の長期政権を批判して、平成6年市長選に初出馬したが落選。しかし次の市長選で当選し、以来三期も市長の座に居座り続けてきた神保氏が今回長期政権を批判されながらも戦う。今回神保市長が当選すると、彼自身が憎悪し批判していた一〇年以上の長期政権、つまり「多選」を自ら行う事になる。
「権腐一〇年」権力は一〇年で腐敗する、一〇年かかって出来ないこと(公約など)は、一〇年以上かかっても出来ない。細川前総理が熊本県知事時代に言った言葉であり、首長にはさまざまな権限が集中しているから、多選に成ると独善的な組織運営、人事の偏向、議会との癒着などの弊害が生じやすくなる。
その結果、不祥事も生まれやすい。そして議会との癒着。
議会とは、「首長と対等の機関」として、その自治体の運営の基本的な方針を決定(議決)し、首長の執行を監視し、評価するものである。
すなわち、議会は「政策決定」および執行機関たる市長に対する「監視、評価」の機能を果たす機関である。だからこそ市長、市議会議員、ともに市民が直接選挙で選ぶ(二元代表制)。
一月二十九日の「戸田市長選挙説明会」に於いて、戸田市議「平成会」会派団長秋元良夫・重鎮伊東秀浩、両市議が「神保国男代理人」として参加した。戸田市最大会派「平成会のトップ」は神保市長だ。そして戸田市議選挙では、神保市長みずから平成会会派の選挙応援をしている。議会制民主主義の原理を分っているのか?分った上で独善的市政運営をしたいのか?その為に自身の公約を曲げてしまうのか?
昨年十二月、議会でテレビ・パソコンなど財産取得に関する「市長提出議案」が否決されたのは、戸田市議会始まって以来の「珍事」だった。
この件に関し、現在の戸田市議会・総務常任委員会は、
「前回十二月定例会で財産取得に関する議案が否決された事に関して、可決するには不十分な内容及び説明で、業者に多大なる迷惑をかけ、市に対する不信感を抱かせたと思われます。付きましては、当委員会は契約事務の見直しや、庁内のチェック体制の一層の強化を図り、業者ひいては市民に対する信頼回復に全力で務めるよう要望する次第であります」
と議会で述べた。
教育委員会は、複数の業者から見積りを取り、予定価格を積算するように決められている。であるのに今回、総額二億二千万円強の入札価格であるにもかかわらず、たった一社しか見積りを取らず、テレビの「予定価格一億七千万円」を丼勘定で積算したのである。
余りに杜撰な見積りで一社独占入札だった為に議会も危険を感じ否決した?…のかは分らない。
しかし、改めて二社で再見積もりをとると「予定価格一億二千万円」を積算した。
最初の見積もりと「五〇〇〇万円」の開き。このような管理体制を市民はほぼ知らない。
戸田市財務部は、市の財政計画や資金計画、予算の配分等に関する業務を任されている。
財務部には最初の「一億七千万円」が適正な算出であったのか、書類確認を適正に行ったのか、等を精査し市民に説明責任を果たす義務がある。なぜ五〇〇〇万円もの開きがあったのかの市民が納得できる言い訳も…考えるべきであるが。
先日、総務常任委員会質疑で議員から追求され、これら戸田市執行部の失態が総て露見した。
一人の市長が多選し戸田市を牛耳る事は悪政だ!許されん!
こう考えて、市長選に一度は落ちてもまた立候補し、見事当選した頃は、神保市長にも大志があったろう。当時は輝いていたはずだ。
しかし今は、どう考えても多選し、市の金の運営にしがみつく事で自分自身の既得権益を守り、お零れに死ぬまであやかろうとしている老人のようにしか映らない。
実は前回、神保氏は他に立候補者不在で「無投票」で戸田市長になっていた。市民が自ら率先して選んだ訳ではないのだ。
今回は、そんな戸田市の吹き溜った空気を入れ替えるべく、他に三人の候補者が立候補している。恐らく市民の心は神保市長の長期政治による停滞感と、最近の「戸田市政の不祥事続き」に嫌気がさしているはず。それが選挙結果、投票数にも「少なからず」現れることになるだろう。
神保市長には、最後は政治屋的な利権商売にしがみつく老醜を晒すことなく、自ら潔く後輩に道を譲って退場して頂きたかった。
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