化粧品・健康食品メーカー「ファンケル」　
池森賢二名誉会長が１２０億円を失う？　№③

　ファンケルを創業し、一代で上場企業に発展させた池森賢二氏は、掛け値なしの成功者である。現在、ファンケルの経営から距離をおく名誉会長の職に在るが、創業者にして個人大株主の立場からの影響力は、今以って健在である。勿論、経営者としての才覚は自他ともに認めるところである。

　それ程の実業家が、何故、信和総合リースの不正保険契約に加担してしまったのか。信和に注いだとされる額は１２０億円との証言もあり、これは信和の倒産時負債額１９９億７２００万円の半分以上を占める巨額なものである。これ程の資金投下が事実であるなら、信和の実態を知りながら悪銭稼ぎを目的に不正に加担していた疑いが濃厚だといえる。たとえ、知らなかったとシラを決め込んだところで、池森マネーが不正保険契約の構造を潤滑させる血液として巡っていた事実に変わりない。

　では何故、地位と名声そして莫大な資産を有している池森氏が、悪党の片棒を担ぐことになったのか。そこには、ファンケル起業当時からの知人にしてやり手の大物税理士として有名な、大山哲氏の存在があった。